過去生もまた記憶の一つであること〜その1

もう四半世紀ほど昔のこと

私は独りハワイ島に行った。

ご存知の方も多いかもしれないが、ハワイ島には公共の交通機関が少なく
バスも一日1本ほどしかない。つまり移動には車が必須だった。

同時私はペーパードライバーだった。
運転免許を取得したものの運転が怖く、運転する機会もないまま10年近く経っていた。

ペーパードライバーでも運転免許を持っているのは間違いない。
そして、ハワイ島では自分で運転することが必須。
私はハワイ島でレンタカーを借りることを決めた。

レンタカーを借りたとき、私はエンジンの掛け方すらわからなくなっていたことに気がついた。

これはまずい・・・・

何とかせねばと、途中で寄ったガソリンスタンドのお兄さんに
「日本とアメリカの車は違うから、練習が必要だ。
慣れるまで少し一緒にドライブして欲しい」
と全く出鱈目で、しかも
今のご時世ならあり得ないお願いをした。

お兄さんはいい人だった。

助手席に座ってもらい
ガソリンスタンドの周囲をくるりと一周して
「パーフェクト グレイト!」

笑顔で別れた。

「グレイト じゃないよ・・・・」
私の心の声

不安でしょうがない
でも運転しないとどうにもならない。

運転をする、
とりあえず走ってみる

いけるかも

海辺に行って車を停めてエンジンを切った。

ハワイの海・・・青いな〜

時刻は夕刻、さあ帰ろう

エンジンがかからない!

やばいやばすぎると
オタオタしていると地元の方らしいカップルがやってきた。

「この車、エンジンがブロークン」

のようなことを伝えたら、
男性の方が見てくれた。

あっという間にエンジンがかかる。

「・・・・サンキュー」
「ノープロブレム!」

すでにご想像している方もいるとは思うが、
キーを更に一段階回さないとエンジンがかからないことに
私は気がついていなかったのだった。

ともかく

「このままエンジンを切らずに、宿に帰らねば」

日も暮れ始めた頃

ダダっ広い宿の駐車スペースに
何とか車を停め、
部屋に入ったときには
すでに疲労困憊

心配と不安はマックスだった

続く

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