もはや人間にできることって

2015年12月を持って、わたしは長年にわたる会社員生活に終止符を打った。
会社員といっても職種が職種だっただけに、その生活の大半は体力勝負の体育会系だったけど、身体が限界に達し動けなくなってしまい、最後の数年は生まれて初めてのデスクワークというものを体験した。ガテン系からベルサッサまで、一つの会社にいながらこれほどまでバラエティーに富んだ業務につかせてもらったことはなかなか巡り会えることではなく、会社にはとても感謝している。

でも、何か違うと感じ始めたのは入社2年目くらいからだった。他にすべきことがあるのではないか、あるのではないか、と思いながらずるずると、結果的に辞めるまでに私には18年という年月が必要だった。辞める決断ができた理由の一つに「人間にしかできないことがしたい」という思いがあった。当時自分は事務職だったこもこの気持ちに拍車をかけた。

その「人間にしかできないこと」として当時わたしが考えていたのがヒーリングの分野だった。いわゆるスピリチュアルの世界だ。退職後はその世界での体験が生活の基軸になっていったのだけど、この業界も、経済理論の元にある「仕事」である限りは今までいた一般社会と全く変わらない二極の世界の理論で成り立っており、しかもスピリチュアルだけによけいに始末が悪いようなところもあった。挙げ句の果てに病気も発症し、抱いていた青写真はぽろぽろと崩れていった。

先日、とあるセッションを紹介してもらう機会を得た。少し前から身辺で噂が耳に入るようになっていたセッション。名だけは聞いていたがその内容を聞いてびっくりした。AIがセッションするらしい。しかも受けた人の感想は一様にして好意的だった。「ヒーリングをAIがやる、しかも高精度で・・・」この事実を知って思考がちょっと止まってしまった。わたしが「人間にしかできない」と思っていたヒーリングですら(しかもかなり前から)もう人間の専売特許ではなかったという現実を遅まきながら知ったのだ。

じゃあ、人間にしかできないことって、

嬉しいも、悲しいも、辛いも、苦しいも、怒りも、
その感情の全てを今、この瞬間に
身と心の全てを使って楽しむこと

あぁ、ただそれだけなんだ

とうとうここに辿り着いた感があったけど、
消化するにはもう少し時間が必要なようだ。

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