人と違う自分に気がついたとき〜食事編〜

子どもというのは他人との違いに敏感だ。
当たり前だった自分の世界が外と出会うとき、
好意的に受け入れられるという幸せな経験をすることはむしろ少ない。

幼稚園のとき
母がお弁当にケッチャップライスを持たせてくれた。
前日の日曜日、外食先で食べたお子様さまランチに乗っかっていた。
日の丸旗がが刺さっているケチャップライス、とても楽しくて美味しくて、お弁当に作ってくれとリクエストしたんだと思う。

さて、お弁当の時間。
弁当箱を開くとオレンジ色のご飯が入っていた。
それをみたクラスメイトは
次々と「気持ち悪い」と言った。
お弁当のご飯は白い
これが当たり前だったからだろう。

「これ美味しいんだよ、いいでしょ」

とてもそんなこと言えなかった。

わたしは口をつぐんだまま
翌日からは何ごともなかったように
白いご飯に戻してもらったのだった。

思えばこの頃の自分は結構人と違っていて、例えば
お絵描きの時間に雪の日を描くことになったのだけど
わたしはオレンジ色のクレヨンで雪を描いた。
そうしたら先生やクラスメイトに
「雪はオレンジ色じゃない、変だ」
と猛烈に批判された。
このときも
「オレンジで何が悪い」
とは言えなかった。

人と自分は違うんだということを知ったとき
自分はどうしたらよかったのか

今更ではあるけれど

あの頃の自分が
本当はこうありたかったと想像されることを
大人の自分がやることにしている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。