台風の季節
関東には12号がやってくると予想されていた今日ですが、
曇りではあるものの朝から静かな時間が流れています。
台風と言えばですが、このところ、よく聞く言葉の一つが「巻き込む」。
SNSの発達で今まで何も出来ないと思っていた多くの人が、自分にも影響力を持てることを実感し始めている。「自分を思うことを発信して、人々を巻き込んでゆきたい」という下りで使われることが多い。つまり自分の思いを共有して大きなムーブメントとして、(本人が考える)よりよき社会や人間の在り様へ向ってゆく、という感じかな。
でもこの「巻き込む」という言葉に私は違和感を感じる。他の人を巻き込んでゆきたい、という言葉の裏には「自分は他の人に巻き込まれてきた」という前提がある。巻き込むというのは結構動きのある言葉で、強制力を伴う協調、つまり自己決定感の欠けた意志の基にある。
個の目覚めの時代。その個が台風だったどうだろうか?
台風は今の人間の在り様のメタファー。巻き込むことで力を得る裏に破壊、無差別に傷つくことが潜んでいることは、想像できるだろう。
私には、
自分を拡大してゆくとき
「巻き込む」ではなく
「響き合う」
「分かち合う」
こんな言葉の方がしっくりくる