苦しみが癒えるとき

昨日の晩、突然高校時代に歌った曲が頭に蘇ってきて、夜中にも関わらず、ベッドの中で歌ってしまった。歌いながら高校時代のことを思い出していた。

高校時代は部活に熱中していた。まさに青春そのものだったけど同時に、それまで何となく抱えていた生きづらさが何となくではなくなり始めた時期でもあった。他人との比較を余儀なくされる日々に、いつだって自分が狂おしいほど求めるものには自分の才能がないことを、これでもか、これでもかと突きつけられ居ても立ってもいられなくなっていった。自分の居場所を見つけようとしたけれど、もがけばもがくほど孤独は増した。でも当時はそんなことすら気がつかなかった。ただ苦しい、それだけ。

30年近くたっても、あの頃の気持ちを思い出すと混乱してしまい直視できないでいた。毎年行われている部活の同窓会に未だただの一度も出席できずにいるのは仕事が忙しかったからだけではなかったのだろう。でも夕べ、ふっと口について出てきた歌を歌いながらあの頃のことを思い出した自分には、いつも感じるやり場のないような痛みはなく、何となく、あぁ、そうだったんだな、とだけ思った。何かが癒えてゆくような感覚だった。

どうして急にこんなことを思い出し、こんな感覚になったのか。それはわからない。けれど、しどころのない苦しさも、こんな風に感じる時がくるんだなということ。そしてその感覚を垣間見ることができただけでも、それこそ希望じゃないかな。

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